みかみ いさお

誰もが最期まで自宅で元気に暮らせる社会へ

buterfly effect(2)

buterfly effect

小さな蝶の羽ばたきが、気流に変化を与え、やがて遠く離れた場所でハリケーンが起こる。1つの小さな変化は、大きな変化をもたらします。

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ある日、仕事を早く切り上げて病院に行くと母が泣いて叫んで、悔しんでいる姿がありました。WCに運んでもらえれば、自力でまだできる状態でしたが、その日も朝にトイレの大きい方に行きたくなり、ナースコールをしたそうです。

返ってきた言葉は「あなたはオムツをしているのだから、車いすの上に座ったまますればいいんです!!」病院側も忙しいかったんだと思います。何とか運んでもらえるように必死に我慢したそうです。でもやはり限界になり、車いすにすわったまましたそうです。そして、再度ナースコールをしてオムツの処理をお願いしましたが、40分以上誰も来ず、上に乗ったままだったそうです。

人としての尊厳は大いに傷つき、早く死にたいと言い泣いていました。
何故こんな酷いことになったのか!!私はとても悲しくなりました。
誰が悪いのか!!病院の経営?人員配置の問題でしょうか?
夜中まで鳴り響くナースコール、もう医療や介護の現場は限界だと思いました。
人手不足、過酷な労働条件、増え続ける高齢者、何か悪しき循環のようなものを
感じました。この流れを変えない限り、母に起きたことがまた誰かに起こり、
悲しみが永遠に続いていく。。。
世の中、何かおかしい!!変えなくてはいけない!!

私の中で小さな蝶がはばたき、ほんの小さな風が吹いた瞬間でした。多忙な生活の中、仕事以外の世の中に、初めて真剣に目線を向け、考えたきっかけでした。

この小さなきっかけが、やがて自分の使命を認識させ、自分の働く環境や生活の環境を大きく変化させていきました。私は二十年以上務めた大手企業を退職し、故郷の鎌倉の町で社会活動を行い、活動の縁から介護の世界に入り、認知症を知りました。そして故郷の現状を見て、「高齢になっても誰もが住み慣れた自宅でいつまでも暮らせる社会」を作ることが、私の使命と認識しました。そしてこの使命達成のために、制度改革のために市政を目指します。

良い方向に、一度に大きな変化を作ることは、大きな石を動かす如くとても困難です。それよりも小さな石ころ、小さな変化を起こさせることの方が容易です。
そして、何もしなければ、何も変わらないのも事実です。今まで通りでは無く、ほんの少し立ち止まって、違う目線で”考える”ことからはじめませんか?